元型論
|
人気ランキング : 69,254位
定価 : ¥ 5,880
販売元 : 紀伊國屋書店
発売日 : 1999-05 |
価格 |
商品名 |
納期 |
¥ 5,880 |
元型論 |
通常24時間以内に発送 |
|
気軽に読めるいい本 |
〜ユングは幼児性欲にたじろいだ。厳格なキリスト教の家庭で育ち、だから父親殺しや母親との近親相姦願望などもっての他だった。ここで彼は地団駄を踏んだ。フロイトはユダヤ人だった。ヨーロッパ社会での異端児だからこそウィーンの集団幻想の中で発狂することができた。それが偉大な精神分析となって花開いた。
〜〜
フロイトはバリバリの神経病医でかつ、脳外科医だった。ユングは純粋な精神科医だった。フロイトはお金持ちのヒステリーお嬢さんを患者に持っていた。ユングは分裂症が多かった。フロイトはユングが精神病の患者の話しを一生懸命聞いている姿にうんざりだった。太陽のしっぽがどうのこうのという話しよりは防衛や不安、欲動などを概念化しようと必死だった〜〜。ユングはそんなものには興味がなかったようだ。
ユングはフロイトと袂を分かった時にとうとう発病した。新しい理論を作ったように見えたが、フロイトから学んだことを捨てきれなかった。それが無くなったらおしまいだった。つまり無意識という考え方だ。まるでアップルコンピューターに対するウィンドウズのようだ。
〜〜
多くの人間はフロイトをよく知らず、またユングも知らない。フロイトが性にこだわったなどということは彼の論文を読めば間違いだとすぐに分かる。
〜〜
元型論はユングが統合失調症になった時、しこしこと書きためたことが基になっているのだろう。大分前に読んだ。ユングはおもしろい。まるでブレイクのようだ。神秘的なのがユングのいいところ。気軽に読めるいい本だと思う。〜
|
原典にあたることの重要性 |
深層心理学の巨匠、CGユングの最も重要な著作の一つ。「性」にあくまでこだわるフロイトと決別したユングは、多様な時代や文化を超えた人類共通の無意識(共有無意識)の存在に注目、それを元型と名づけた。老賢人、グレートマザー、シャドー、など有名な元型だけでなく多くの原型について論じていて面白い。西洋と東洋さえも超えた人間の存在を深く洞察する手段となった。この本は翻訳がこなれていて読みやすく、種々出ているお手軽なユング心理学入門書よりもずっとユングに近づけること間違いなし。
|
訳者である林道義氏の情熱と意欲がヒシヒシと感じられる |
人間のこころに浮かぶイメージ(夢、空想、妄想、幻視など)、これの中に遥か太古の神話的イメージ、宗教的イメージが多く含まれるのは何故か? これに着目し、無意識の中に人間という種に共通の「イメージの源泉」=「元型」に考え至ったユングのこれは、人類至上数奇の大発見です。 ユング心理学の中核概念である「元型」に関する論文を林道義氏が体系的に編纂したもの。 ユングの論文もさることながら、訳者である林道義氏による長大な解説、注釈も、かなり秀逸(ハッキリ言って、この林道義氏の解説、訳註が無ければ理解はかなり困難を極める)。
「人類共通の深層心理の奥底に働いているイメージ」これが一般的に世間に流布している元型の定義であるが、これは間違いである。正しくは、そういった!「人類共通イメージ」と言えるイメージを持たらす心特有の動き方、働き方こそが元型なのである。「同じイメージを共有」しているのではない、「同じイメージの源泉」を共有しているのである。 この混同、誤解されがちな点を丁寧に分かり易く(と言っても難しいが)解説している。
何故にここまで林道義氏は入魂しているのだろうか? それは一にも二にも本書に収められたユングの論文が素晴らしいからである事は論を待たない。
夢の読み解き、人の持つ「イメージ」というものを、より良く理解したい人は必読。
『結合の神秘』と双璧をなすユングの考え方の集大成。