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ソウ完全解読

 

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■2  映画の文法 
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■ 映画の解釈法3  映画がよりおもしろくなる解釈は正しい
 
 「ソウ」は、非常よくできた作品だと思う。
 この映画に存在する唯一の矛盾を指摘すれば、映画の後半でゴードンとアダムが
口論した時、横たわるアダムの横に「二本のタバコ」が見られることだ。

 この時点で、アダムに一本タバコを投げた後なので、「二本のタバコ」はおかしい。

 そんな指摘も出そうだが、まだこのネタは掲示板では見たことがない。

 普通に考えれば、製作スタッフの単純ミス。
 一本タバコを片付け忘れていた・・・という。
 ブルーパー(映画のヘマ)と呼ばれるものだ。

 しかし、ものは見方だ。
 
 ジグソウは、メッセージに二本のタバコを入れたとは書いていない。
 箱の奥の方に、もう一本タバコが入っていた。
 そう考えても、おかしくはない。

 では、なぜ三本のタバコが入っていたのか?
 
 一人一本ずつ吸うためだ。
 
 ゴードンとアダム、そして・・・。
 
 ジョン(ジクゾウ)だ。
 
 三本のタバコは、この部屋に三人の生きている人間がいることを示していた。
 そして、「わかりずらいところに入っていたタバコ」というのは、
「わかりずらいところに、もう一人いる」という暗示である。

 いかがたろうか?
 私が考えた、コジつけである。
 しかし、おもしろい。

 「タバコは三本あった。最初二本しかなかったのにおかしい。『ソウ』はディテー
ルが徹底していないダメな映画である。」
 「タバコは三本あった。実は、この些細な小道具によって、死体の男が生きていることを暗示していた」

 あなたはどちらの解釈が好きか?
 否定的な解釈よりも、好意的な解釈の方が、映画を楽しくするのである。

 だから、同じものを見た場合、いずれも根拠のない解釈だった場合は、よりおもし
い解釈の方が、皆が楽しくなってハッピーである。つまり、より良い解釈とすべきだ。

 これは、私の意見だが、同じお金を払っている以上、「映画をより楽しむべき」というのは、映画ファンの基本姿勢であろう。

 

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