ソウ完全解読 |
■ 行動の矛盾があるからこそリアル 私に言わせれば、彼らはこの異常な状況の中で、十分すぎるほどベストな判断をしている。ある程度の推理も働かせているし、ゼップが事件に関与していることも突き止める。 普通の人間なら、そこまでたどりつかないだろう。 ゴードンやアダムが「××すればよかった」という指摘は、ナンセンスである。 彼らのおかれた、「死の恐怖と不安に追い詰められた限界状況」を全く理解していない、検討はずれな批判である。映画自体を楽しんでいない、ということだ。 彼らの判断や行動に矛盾がある。それこそが、彼らが極度の不安におかれていた描写そのものであり、リアリティなのである。 もし彼らが、シャーロック・ホームズのように、するどい観察をし、終始冷静に状況 判断し、ベストの行動を選択する。 そうすれば、「ソウ」はおもしろい映画になったのか? なるはずかないだろう。 そこには、限界状況の狂気がまったく描かれない。 |
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