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ソウ完全解読

 

■ゴードンがすぐに失血死しない医学的理由

 一般論でいえば、足を切断したからといって死ぬかどうかは分らない。
 でも、「ソウ」の場合は、このあとゴードンがすぐに死んだかどうかは、明確に
描かれている。
  
 足を切断しても、失血死することはない。
 きちんと、止血処置をすれば。

 ここで思い出して欲しい。ゴードンは外科医だということを。
 ここで、彼が外科医であるという設定が効いてくる。
 彼は精神科医ではないのだ。
 当然、止血処置はお手の物。
 外科の手術。ほとんどの人は見たことがないだろうが、半分以上は「止血」の
作業である。 外科医とは、止血のプロなのである。
 
 ノコで自分の足を切るシーン。
 ゴードンは相当に動転していたが、衣服で切断部をガッチリと縛ってから、切った
ようだ。切断後にゴードンが床を這うシーンでは、床に大量の血が流れ出ていない。つまり、止血されている。
 止血が、映像的にきちんと表現されている。

 真ん中の死体の派手な出血とは対称的である。
  
 以上のことから、ゴードンが足の切断によって、すぐに失血によって死亡するとは
考えらない。

 でも、すぐにって、何時間よ?
 この後、何時間後に病院に行けるのかが、大切になってくる。
 ニ、三時間は全く大丈夫。
 五、六時間でも何とか大丈夫だろう。
 一晩以上たつと、感染の危険によって、命の危険度は急速に高まるだろう。

 さて、医学的な知識によって、「足を切断すると失血死するのか?」という問題に
答えたが、映画の解読は本来映画の描写をもとに、行なうべきである。知識や常識というのは、個人差が大きすぎるので、解釈にブレがでるし、そもそもこんな医学的な知識は、ほとんどの観客は知らないわけであるから。

 

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