風の谷のナウシカ 全7巻セット ―アニメージュコミックスワイド判
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人気ランキング : 236位
定価 : ¥ 2,780
販売元 : 徳間書店
発売日 : 2002-08-25 |
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宮崎漫画ワールド。 |
いっきに読んでしまいました。映画の中でしか知らなかったナウシカの世界。この本を読んで、最初のうちは映画とダブって感じて読んでいました。そのとき映画の中で読み取れなかった意図も「あーこれはこの複線だったんだなぁ」など、照らし合わせて読むこともできました。
映画ナウシカはほんの序章でしかなかったんだなぁ。7巻という巻数は決して多いほうではありませんが、むしろ下手に巻数を重ねた本よりも、十分に読み応えがある作品です。とても深みのある作品です。読んだ後には絶対に何かが残ると思います。
今回はセットということで、ボックスもついてくるので、なにか本というより、本当に「作品」といった印象をうけました。買って損はないです。手にとってみて下さい。
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やっぱりすごかった宮崎駿!! |
このマンガとの出会いは、ふとしたことから。。。
普通に映画を漫画化したものだと思ってたんですね〜。
そしたら、全然違った!!
アニメの部分は、マンガの2巻の途中ぐらいですでに終了!!
そこからがすごいすごい。
森の人やらクシャナの兄弟や親父が出てくるし、クワトロは大活躍☆
アニメでは、アスベルとナウシカが結婚しそうだったけど、実は違うし。
ミトじいたちも、もっともっと出演してた。
ラストがいろいろ悲しいこと尽くめですが、それでも超!大作です。
虫達の世界も良く分かるようになります。
今も昔も思うのは、アニメではこれは表現できない、というグロッキーさ。
でも、訴えかけるものがたくさんある、素晴らしいマンガだと思います。
一生に一度は、読むこと!をお薦めします☆
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安いぞ、どう考えても。 |
ワイド版7巻セットが低価格で揃うなんて、実家の押入れに寝ているナウシカは置いといて、新品をセットで買うべし。当時は読んでもなんだか理解出来なかったん内容が、大人になった今ならバンバン謎が解けちゃうはず。とくに細かく細かく描かれているナウシカをめぐる人間関係なんか丁寧に読み解く事をお勧めします。ほらっなんとも独特で魅力的な作風に引き込まれていくでしょ。なにせ描写が細かい。純粋な漫画家ではなくてアニメの世界が長いからなのか、キャラクターの動き、表情の描写のレパートリーが格段に多い。 しかも宮崎さんのレトロチックでオリジナルなメカの数々を、これだけ特殊な世界観を用意して紙の上で動かすわけで、これが一人の人間が考ち?た事だとはとても信じられない。ひとつひとつの技術、設定、ストーリーも流石だけど
総合力としてズドーンと打ち立ててある。これだけの作品を超える作品は出るのだろうか?安彦良和さんしかいないのではと僕は期待するのだけれど。
さすがの宮崎ワールドがおもいっきり満喫できますよ。
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大好きな作品です |
今までに何度も何度も読み返しました。20年前にこれを書いた宮崎駿って「スゴイ」としか言えません。セラミック文明って映画で見た頃は「?」と思ったけど、今になってみるとわかるし、生き物を自在に作り変える技って今でいう遺伝子組み替えに他ならないし、どんどん宮崎駿の創った世界に現実が近づいていくようで怖いです。
一番好きなのは3巻の僧兵から逃れてひとり戻ってくるところです。「他の者は戻りましょうか?」「みんな、私の楯となって死にました。」あのあたりの勇敢な少女ぶりと兵士たちがとっても好きです。クシャナが原隊に復帰して戦旗を翻すところも好きです。クシャナ殿下がかっこいい瞬間です。映画でなかったクシャナの腕はちゃんと最後までついてますが、コミックスが出るたびに!腕を食われるのかがすごく気になっていました。途中では、こんなに話を広げちゃって大丈夫なのか、どんな終わりになるのかもすごく心配で待ち遠しかったです。こうして7巻一気に読めるなんてすばらしいことなのでぜひ買って読んで大切にしてほしいと思います。地球のことや、人間のこと、世界のことについてもっとみんなに考えてほしいし、そのきっかけをくれる本です。
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ちから |
シュワで、墓主は、素直にうけとれば、理想そのままを提示した(維持に変な人たちを使っているけど)。そこでナウシカがそれを受け入れていたら、読者の疑問は半分以下になったかもしれない。ナウシカの選択は、生命主体として最も勇気のいる、最も自由度の高いものだったと思う。それに、読者が最も作品世界の未来について考えてしまう選択。(墓主を無力化して知識や技術だけ受け継げばとかはありますが。失敗の歴史情報もあるかもだし。連載終了時も現在も環境学は未熟極まりないけど。)
このマンガは、日本で最も多くのレイアウトと動きを考えてきたアニメーターが描いた作品。そこには私が今までみた中では最「強」の『情』『動』が描かれている(ドキュメンタリー除く)。サパタ攻防、王たちの軽妙にして重い発言とたたずまい、単行本で描き直された剣士の最後、一コマ一コマの動きと情念の連なり。
批評家は精神的観点から作者の少女好きを論じることが多い(諸アニメ含む)。しかし綺麗な少女なんて、みんなが好きなので私はそこに特異性を感じない。作者を稀有たらしめているのは恐るべき創作姿勢であり、ありふれた性癖ではない。
作品世界は、はたと気がつけば人がつくった創作世界の中で最も独創的なもののひとつ。腐海、王蟲。編集者だった鈴木敏夫の第一印象はどんなだったろう?マンガ版ナウシカよりも「ユーモアとパワーと洞察が一体となったセリフ」に富んだ小説や映画は、私の知らないどこかにあるのだろうか?マンガ版ナウシカの最大の特異性は画面の強さだと思う。ゴッホやムンクがそれぞれの絵で、絵の連なりであるマンガを描いていたら、きっともっとキツかった。宮崎駿はそれに等しいことをしたのだと思う。