対談集 日本人への遺言
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人気ランキング : 22,701位
定価 : ¥ 420
販売元 : 朝日新聞社
発売日 : 1999-01 |
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琵琶湖 |
対談集だから少し読みにくいけれど、興味深い話もたくさんありました。土地の話、琵琶湖の水質の話など、司馬遼太郎はこんなことを考えながら生きていたんだ、と考えさせられることがたくさんあります。
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宮崎駿との対談が印象深い |
司馬遼太郎さんの描く日本人は、とても魅力的です。しかし、エッセイや評論を行う司馬さんはいつも何かに苛まれているような印象を受けます。この対談で特に印象的なのは、宮崎駿監督との対談です。意外(?)にも、司馬さんは宮崎作品を良く見ていて、トトロの身体のカーブが良い、とか宮崎さんの作品はいつも空からみてますね、といった感想を述べている。その目の付け所が、さすが、と思わせます。この対談では、作品を生み出すのは自分の中の子供の部分が働いている、といい、時間と共に自分の中の子供が干からびてくるのだと言っています。小説を書くときの司馬さんは子供の情熱で描き、世相を論じる司馬さんは大人であることを窺い知ることが出来ます。司馬さんが、今の日本をとても憂いていたことが知られていますが、この対談でもその印象を強くします。