虫眼とアニ眼
|
人気ランキング : 22,574位
定価 : ¥ 1,470
販売元 : 徳間書店スタジオジブリ事業本部
発売日 : 2002-07 |
価格 |
商品名 |
納期 |
¥ 1,470 |
虫眼とアニ眼 |
通常24時間以内に発送 |
|
いろいろ考えさせられた対談本でした。 |
面白い!!自分の言いたいことを二人が代弁してくれているようで、
嬉しい気持ちになりました。私は田舎生まれの農家育ちです。
米を作り、未だに実家は薪で風呂を炊く生活です。
自然と向き合いながら生活をしてたので、自然との共生を良く知っています。
「豊年満作村祭り」これこそが自然との共生だと私は思います。
つまり、土を耕し、太陽、雨などの力を借りなければ農作物は育ちません。
農家は自然に感謝する心を持っています。だから「豊年満作村祭り」なのです。
最近は都会に木を植え、それで自然との共生とかいっています。
そんなものは共生とはいいません。
万博で「自然の叡智」をテーマに開催されていますが、どれだけ本当に自然に対し慎む心をもって生活をしている人がいるだろうか。
私は農家に育って本当に良かったと思っています。
大学で一人暮らしをしてからというもの、パソコンと本などに時間を費やし、
自然を肌で感じる生活を忘れてしまいがちになってしまいます。
しかし、実家に帰えれば、田植えや薪割りなどをする贅沢な暮らしが待っています。
科学の進化にともない豊かな生活が失われてしまう昨今。
これからは、このようなバランスの取れた生活が必要ではないのでしょうか。
|
子供の生活環境を考える |
図書館でぶらぶらしていると意外な本によく出会う。宮崎駿関連で云うと、「宮崎駿の雑想ノート」や宮崎さんのコメントの入ったロアルド・ダールの「少年」(この本の話が紅の豚に盛り込まれている)などがそうだった。これは単なる偶然とは云い切ってしまえないだろう。余りに偶然も偶然だからだ。何か引き寄せられるものがあるのかもしれない。このことは多くの古人たちも経験してきたようで、この体験を形容する有名な言葉も残っているほどだ。だから図書館や書店をぶらぶらするのは楽しい。電子本や電子図書館なんてくそくらえだ。
この本もまぁそんな出会いの一つ。まず、巻頭カラーで荒川修作&宮崎駿考案の町のイメージが何ページかにわたって描かれている。もともと荒川修作には興味を持っていたが、こんな所で出会えるとは思ってもみなかった。バリアフリーは子供の老化を早めるという考えはうなづける。二人とも、いや三人とも現在の状況を憂い粘っている。それはひとえに子供のためだ。自分の矮小な利害しか目に入らない人々や子供のことを考えている積りでも結局自分の村の考えどまりの人の犠牲になっている状況をなんとかしなけらばならない。それの根本として「町」、「住宅」の再構築があるのだ。しかし、依然として道は厳しい。「もののけ姫」でアシタカからもわ〜っと呪いがでてくるのはそういった鬱憤が溜まったものなのだろう。
|
幻の新聞広告「宮崎駿監督の街ができる!?」 |
以前、福岡のアイランド構想の際に宮崎監督のラフスケッチが大々的に新聞広告として掲載されました。
それはそれは一目見たら忘れられない街の構想スケッチです。
がしかし、そのラフが宮崎監督の意図しない方法で使用されたとかで、アイランド構想とは全く無関係のものになってしまいました。
新聞は既に処分してしまった後、そのスケッチに恋焦がれていた折、本屋さんでこの本を手にとって驚きました。
そのスケッチが巻頭にカラーで、それも20ページ以上掲載されていたのです。
|
虫眼をなくした最近の大人 |
本書に出てくる「虫眼」というもの。これはなんという種類の虫だとか、習性はどうだとか、どこに住んでいてどういうものを食べるんだとか。そういう「虫」というカテゴリ内で更に細かく分類して判断していく眼の事です。
そういう眼が最近の大人(子供も)が減ってしまった。なにせ、それらを見つける「ただの空き地」というものもなくなってしまっている。
最近で「遊ぶ」といえばパソコン、ネット、オンラインゲーム、ビデオ、アニメ。そういったバーチャルなものにばかり囲まれ、育って、仕事に憧れ「僕は将来アニメーターになりたい」等といってもムチャです。
なにせ、「虫眼」という知恵がない。「虫眼」がないから、細かい動きを把握できない、知恵に基づいた動きや色の想像ができない。
監督自身の持つ「アニ眼」を通して個性化教育、利便性だけを追求し、情報が氾濫した結果、ある程度「虫は虫、鳥は鳥」といったどんぶり勘定的なもので判別していかなければ、情報の整理が追いつかない時代になってしまった。それが逆に「1つの事柄についてよく考える」という大事な能力を退化させている原因だという事を記述した本書は、これら虫眼の大事さを大変わかりやすい書き方で記しています。
宮崎アニメファンならずとも、何かのプロを目指している人にぜひおすすめしたいと思います。
|
面白い |
私の感想としてはまず面白い!!というか興味深いというものです。
これは小説ではないし、ひとによっては対談と言うものを観て面白いと感じない事もあるかと思います。
現に私が今までそうでした。
ジブリファンではなかったらこの本も読まなかったかもしれません。
ただ、ファンとして、宮崎駿氏の中にあるあらゆる創造のイメージを知りたいと思って拝読しました。
彼の心の中にあるイメージを他人の私が理解することは100%には無理ですが、彼がアニメを作る時、何を大切にしてるのか、変わらぬ信念やポリシーの一つ一つが素晴らしく名作の数々が生まれてきた所以を垣間みた気がします。
とっても面白かった!!