アメリカひじき・火垂るの墓
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人気ランキング : 12,456位位
定価 : ¥ 460
販売元 : 新潮社
発売日 : 1972-01 |
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表題作は短いが傑作 |
アニメを観て表題作を二度読んだd。これから何度も読むことだろう。ばかげた戦争がなければ死ぬこともなかった節ちゃん。一家そろって生きていればどんなに幸せを享受できたことだろう。読めば野坂氏独特の文体、私は京都弁で育ちましたが神戸弁との微妙な違いがよくわかる。ああ、しかし近代日本において何故4歳で栄養失調死しなければならないのか? 日本は第3世界だったか? もう二度と起こすまいばかげた戦争。大人が起こす戦争で犠牲になるのはいつの時代も若者子ども。虎は死して皮を残す。野坂氏はこの一作で小説家として後世にに残る。節ちゃん、天国で白いごはんをお腹いっぱい食べてください。
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Film vs Books |
作品を手にするとき本から入ることが多いのですが、「火垂るの墓」にかんしては逆でした。以前何度かアニメーションで見たことがあるこの作品の文庫本をある人にすすめられ読み始めました。
映像から先に入ってしまうと、自分の(ある意味)無限にある想像の世界に蓋をされてしまう気がすることが多いのですが、この作品に関してはあまり違和感はありませんでした。映像としての作品にはその良さがあり、本にもそれ独自の良さがあったように感じます。文字を目で追うだけではなく思わず朗読してしまうような。そして、声に出して読んでみると更に引き込まれ、息苦しさ、重たい空気、ほっとする瞬間、笑顔から涙、それらを自然と感じられたように思います。
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文字は映像をも圧倒していました |
蛍の墓について。
あのあまりに悲しすぎて、かわいそうすぎて、繰り返し見られない
くらいの重さは、あのアニメーション独特のものだと思っていまし
た。ところが、文字だけで描かれたこの原作にも、アニメ映画に勝
るとも劣らない強烈な衝撃性をもっていたことには驚きました。
原作者の野坂さんは、テレビ番組に出演するなどで、違った印象を
持たれる一面もありますが、ペンを持った彼が、人に与える力がこれほどまでに強いものかと感じました。
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坦々とでも悲しく |
終戦直前の兄妹の様子を坦々とでもこれ以上無い位に悲しく
読ませてくれます。
アニメとは違う雰囲気ですがそれも魅力的です。
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ノンフィクション |
私もアニメ映画の影響でこの本を手に取りました。生来本はあまり読まない人間ですが、ちょっと異なる点があるとはいえほぼアニメのような内容でした。実際に妹さんを栄養失調で亡くしたのも本当らしいです。胸が痛みました。当時の貧しい時代の固有名詞や地名も多く登場していて短編ながら当時の状況を知らずとも薄々は情景が浮かびました。映画のパンフで彼は「映画程実際妹に対して優しく接していなかった」という言葉が印象的でした。