アンダルシアの犬
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人気ランキング : 11,756位位
定価 : ¥ 3,675
販売元 : アイ・ヴィー・シー
発売日 : 2002-09-25 |
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処女作は全てを含んでいる |
あのブニュエルの記念すべき処女作。処女作には全てがあるとはよく言われることだが この映画を見る限り その格言は「正しい」。ダリと組んだということ自体 映画史上の快挙だが この映画はダリというよりブニュエルである。この後のブニュエルの傑作群、「皆殺しの天使」「自由の幻想」「ブルジョワジーの密かな愉しみ」「銀河」を見ても 原点に「アンダルシアの犬」があることが これが大事なことだが 誰の目にもはっきりわかる と思うのだ。それにしても わけがわからない。こんな映画を作らせる欧州も欧州だし 上映する映画館も映画館である。この余裕を持つ欧州映画芸術には拍手するしかない。日本映画のファンである小生だけに 歯がゆい。
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二丁拳銃で胸をブチ抜かれる感覚. |
ルイス・ブニュエルとサルバドール・ダリという存在自体が冗談のようなコンビが作ったシュルレアリスム喜劇。
もはや伝説となった冒頭のシーンはじめ、惜しみなく繰り広げられる悪夢のような映像世界は勿論、
観客に「触感」「痛み」までもキチンと伝え切るリアリティ描写はお見事。
シュルレアリスム=超現実主義というテーマを消化した上、
単なる不条理劇に堕さない喜劇性と娯楽性をも持ち合わせた作品。
不気味なモチーフの数々にいちいちフロイト的な解釈を与える事も可能かも知れないけど、
この映画を愉しむ上ではそんな事どーだっていいでしょう。
二人の天才の荒波のようなパッションに身を委ねつつ爆笑するのが一番かも。
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冒頭から |
カミソリが女性の片目を切る冒頭のシーンはあまりにも有名だが、アンダルシアの犬は前編がイメージの洪水のような映画だ。脈絡のないまま、蟻の群がる手、らくだの死体など、シュールなシーンが次々に登場する。ブニュエルとダリが見せてくれる15分のおもちゃ箱。映画というものを純化していった結果、ふたりはこの作品に行き着いたのだろう。