海がきこえる〈2〉アイがあるから
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人気ランキング : 51,149位位
定価 : ¥ 620
販売元 : 徳間書店
発売日 : 1999-06 |
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海がきこえる、完結編。 |
海がきこえる、続編です。
友人松野との和解、そして里伽子との出会いと実り多き帰郷をした
主人公拓が、東京に戻って、里伽子とうまく行くのか、と思いきや、
そうはうまくいかない、実に現実の世界を感じさせるリアリティさを
存在させながら、物語はあいかわらず淡々と進んでいきます。
ただ、今までと違い、拓と接するうちに、里伽子も徐々に拓に自分の
本心をさらけ出すようになっており、そこは拓に対する里伽子の
信頼度も上がっている様子が伺えます。
そして、里伽子と拓が本当の意味で通じ合える場面が、この作品の
クライマックスにあります。
里伽子のいいところも悪いところも全てを受け入れて、里伽子の事を
本当に好きなんだなぁ、と感じさせる拓、そして、なんだかんだいって
も、やっぱり拓のことを頼りにしている里伽子、お互いがお互いを
信頼している様子は、読んでいてすごくさわやかな気分になりました。
やっぱり、これを超える作品はない!、と再確認させられました。
海がきこえるファンは、必読すべき作品です!
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ここにアイがある |
海がきこえる、タクとリカコの物語、続編です。
アニメからスタートした私としては、感無量の作品です。
東京に戻っても、二人の関係は相変わらずです。
自分の境遇に不安を感じているにもかかわらず、
なかなか素直になれないリカコは、ついついタクに
わがままを言ってしまう、そんなリカコにあきれ、
不条理さを感じながらも、リカコの辛い立場を知っている
タクは、おおらかな心をもって、リカコに接します。
そして、この作品のハイライトとも言えるシーン、リカコが
身も心もボロボロになりタクに助けを求めたとき、タクは、
なりふりかまわずリカコの元へ赴き、リカコを助けるのです。
そんなタクに対して、初めてリカコは自分の裸の心を見せます。
うわべだけじゃない、本当のアイとはいかなるものか、と
いうものを、この本は感じさせてくれます。
こんな感動を与えてくれた氷室 冴子さんに感謝です。
アニメの海がきこえるファンは、絶対読むべき、です♪
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海と君が |
「舞台」は「土佐」から「東京」に、高校から「大学」に、移り
どことなく前作に比べ、さつばつとして、寂しい感じがあります。
もちろんそれは前作からの流れから感じるものですが。
東京に来ても彼女に利用される主人公
しかし、彼女の本当の苦しみを理解できる優しい主人公
物語が進むにつれ、前作の雰囲気から一転して
冷ややかな雰囲気が流れはじめます。
そんな中での主人公の優しさは
物語全体の暖かさだったことに気づきました。
わずかに感じる嫉妬や苛立ちが、思いを募らせていきます。
彼女が主人公に対して今までにない、
素直な感情を見せたとき
物語はラストを迎えます。
こんなに心あたたまる作品は他にないでしょう。
私の一番のお気に入りです。
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わがまま全開 |
前半からある出来事まで里伽子のわがままやヒトの心の中を土足で上がる行為は、倍以上といった感じだ。
読んでいて少々腹立たしいがある出来事がきっかけで少々優しさも(わがままさは変わらないのだが、眉をひそめるようなわがままさではない。)出てきたように思う。
心から拓のことを信頼し、関係も一歩前進したラスト。
痛々しかった物語の中盤から後半にかけての出来事を爽やかに洗い流してくれている。
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拓と里伽子のその後 |
海がきこえるUに興味を持った人、また実際に購入された人は、海がきこえるTを好きな人、または一緒に買おうと思ってる人だと思います。Tを気に入った人はもちろん「買い」です。まだ読んだことのない人は、セットで2冊をご購入されることをお薦めします。Tと同様にすらすらと読める内容で、活字に自信のない人でも、小説にチャレンジする最初の一冊としてちょうど良い本だと思います。