このページの情報は 2006年1月18日17時57分 時点のものです。 |
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ウィキペディアより引用
カール・グスタフ・ユング(Carl Gustav Jung、1875年7月26日 - 1961年6月6日)は、スイスの精神科医、精神医学者、心理学者。精神科医として従事するにつけ殆どの精神疾患に有効な手立てを持ち合わせていなかった当時の精神医学に代わるものとして新しい臨床ガイドラインを模索していた彼は、ピエール・ジャネ、ウイリアム・ジェイムス等の見識を下敷きに独自の心理理論を見出しつつあった頃、フロイトの精神分析学の理論に出合い、これと自論との類似性の多さに共感を覚えフロイトに急接近。一時は二人でアメリカ講演旅行に出掛けるなど蜜月時代を持ったりもしたが「ユングがフロイトの精神分析学に影響を受け、一時はその後継者と目された」というのはフロイトが一方的にそう期待していただけであり、またユング、ましてやジャネよりも先鞭を付けたのは彼らであるかのような印象を後生に残したいフロイト派の誇大宣伝である。 ユングは最初から彼自身の理論、則ち分析心理学を指向していたのであり、それが体系化されるまでに、そこから更なる時間、時代の経過を必要としただけである(晩成型で熟慮熟考型のユングゆえ)。 自身が晩年自伝でも語っているように、ユングはフロイトよりも寧ろピエール・ジャネに強く影響を受けている。 ユングは人間心理はフロイト式の抑圧感情に還元され得る部分も存在することは認めつつも、それは局面の一つ以上ではないと考え、フロイトが想定したよりも遙かに広く大きいものとして無意識を再定義し直した。 ユングは無意識の奧底には人類共通の素地が存在すると考え、また、そこに近付けるのは唯一イメージを介してである(無意識そのものがイメージの集まりで出来ていると誤ったユング解釈をする者が後を絶たないが、ユングは我々人間の認識体系がイメージで捉える以上の能力を持たないと言っているだけである)と考えた。 と云うのは、彼の患者であった精神疾患者や、夢分析を行なっていたクライントの多数の語るイメージに不思議と一致するイメージ群があり、またこれらは世界各地の神話、伝承とも類似したイメージであることを見出したからである。 共通するイメージを想起させる力動が人の心の奧底にあるのだと考え、これを「元型」と名付けた。 ユングの考えた「元型」とはこの力動そのものであるが、この力動が想起させる事の多い代表的イメージである「元型イメージ」のことを「元型」だと誤解釈している似非ユング論が横行しているので注意が必要である。 先にも述べたように我々はそれを認識する時にイメージでしか捉える事が出来ない(つまり「元型」そのものは我々には直接認識できない)ので、「元型」を研究するにはその状況証拠的イメージの数々を現象学的に検証していくしかないので、神話研究や文化人類学に接近していったのは当然の帰結である。 ユング派は心理疾患の臨床に於いて夢分析に主幹とするのは、夢が唯一元型イメージが日常的に表出している現象であるからであり、これを解釈していく事でクライアントの心の中で巻き起こっている力動を類推しようとするのである。 ユング心理学は上述のような理由から、芸術的、宗教的色彩の濃い題材に切り込んで行った為、分析的・科学的でないという誤解に基づくレッテルが貼られてしまっている感が強く、また神秘学、オカルトの領域に踏み込んでいる面もあるため、欧米ではユングを研究するものは(科学の分野では)ほとんどいないのが現状である。 欧米ではユングの考えは寧ろニューエイジ運動に受け継がれる事となるが、これも発想の基本はユングに借りていながら、ユング理論の核心を外した勝手な自己解釈を展開する者が跡を絶たず、正しいユング理解をまたもや妨げているので問題が多いと言わざるを得ない現状である。 日本では河合隼雄らによって導入されたが、河合はむしろジェイムス・ヒルマンらによる「元型心理学」の立場に近いとされている。 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A6%E3%83%B3%E3%82%B0
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